遅延とは?/ モビット
[ 264] 後藤弘茂のWeekly海外ニュース
[引用サイト] http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0316/kaigai252.htm
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しかし、ゲーム開発現場などでは、開発ツールの状況から、実機の発売は、春からずれ込んだという見方が広まっていた。今回の発表でSCEIは、水面下ですでに公然の秘密となっていたPS3のスケジュールの遅れを、公式に確認したことになる。 「将来可能になるだろう技術も取り入れたいと考えたが、規格化を含めて大分遅れてしまった」と久夛良木氏は語る。今は、規格化が終了してライセンスが開始されたり、規格策定のメドが立ったことで「非常にクリアに言えるようになった」(久夛良木氏)という。 PS3のような、固定された仕様で長期間保たせなければならない機器の場合、途中で規格を拡張したり、新規格のデバイスを採用することが難しい。そのため、リリース時に、背伸びして、将来に対応機器が提供される規格まで対応しておいた方が製品のライフサイクルを長く伸ばせる。PS3は技術のちょうどHDTVへの転換の節目にあるため、新規格への対応は従来の世代より難しい。 「いろいろな案があった。9月で日本という話もあったし、7月にしちゃえ話というのもあった。しかし、ソフトメーカーの皆様が、きちんと作り込めるようにしようと(このスケジュールとなった)」 「ぴたり同じ日にとは言わないが、だいたい11月の頭くらいにと考えている」、「同時発売は、われわれにとっても初めて」、「PSPと比べると大きく重いPS3を、陸路で離れた場所にもきちんと運ばなくてはいけない。生産出荷の段取りは至難を極めると思いますが、これもがんばろうと」 「PS3は新技術が山盛りなので、(生産は)非常に大変だ。でも、数が出ないとゲームベンダーのビジネスをサポートできない。だから、遅らさせていただいた分は、きちんとした生産体制をとりたい。我々が、チャレンジして結果を出したいと思っている生産キャパシティは月々100万台です。半年かけて100万台にするのではなく、(最初から)100万台に持って行く。素晴らしいソフトが出て、ユーザーの皆様に受け入れていただければ、来年(2007)の3月末で600万台のキャパシティになる」。 年末商戦時期(海外ではホリデーシーズン)というのは、ゲームコンソールにとっては最大のビジネスチャンス。これを逃すことはSCEIとしては何が何でも避けたい。つまり、SCEIにとっては、11月はデッドライン(絶対的な期限)だ。Xbox 360が海外ではそれなりに立ち上げに成功している(供給はうまく行なっていないが)ため、海外市場の商戦時期を逃すことはリスキーと考えたのかもしれない。 世界同時発売の場合、SCEIは、最終工程のFab(工場)から遠隔地までの輸送のタイムラグも考慮しなければならない。そのため、実際には11月よりもかなり前にある程度の完成品を生産しなければならない。つまり、11月に同時発売するということは、量産ハードの完成時期は、もっと早いことを意味する。原理的には、日本だけ先行して発売することもできたはずだ。 それをしなかったのは、久夛良木氏の発言にもあるように、タイトルを揃えるためだと推定される。SCEIは触れなかったが、実際にはPS3の開発環境の整備も遅れており、特に、ゲーム開発者の間では、ソフトウェアライブラリの成熟度が低いことが指摘されている。SCEIは、2005年秋に、ライブラリ関係の開発者を大募集しており、国内だけでなく海外からもプログラマを雇用している。まだ、ライブラリの整備を全力で進めている段階だと推定される。 そのため、現状では発売を早めても、PS3らしいタイトルを揃えることは難しい。タイトルの開発には、デベロッパが開発ラインを立ち上げてから最短で9カ月前後は必要となる。11月という発売スケジュールは、タイトル開発でも、ぎりぎりのタイミングかもしれない。 |